【活動報告】にじーず全国出張ツアー2025
にじーずでは2025年夏より、全国で大人のアライを増やすための出前講座を行っています。
クラウドファンディングでのご支援をいただき誠にありがとうございます。
本記事では、2025年度の取り組みについてまとめてみます。
*現在も静岡や沖縄での公開イベントを予定しており、この取り組みは26年度も行っていきます。

なぜ地方で大人向けに発信しているのか
にじーずは、LGBTの10代を取り巻く環境の過酷さ、孤独や孤立の深刻さをふまえて、2016年の発足時より当事者の子ども若者が安心して集まれる居場所を開催してきました。地域性を問わずあたりまえに自分らしくいられる時間が過ごせるように、開催エリアはどんどん増えて、2026年5月現在は17箇所とメタバースで居場所を展開しています。
このような取り組みを行う中で、地方都市で活動を行う難しさもわかってきました。地域によっては公共交通機関での移動が難しく、車で家族に連れてきてもらう以外のアクセス方法がありません。家族から理解されず苦しんでいる場合ほど孤立が深まるのに、どこに住んでいるかによって「理解ある場合にだけ居場所に参加できる」といった矛盾が生じます。また県内が広域にわたり、たとえ一つの県に1箇所の居場所を開催したとしても、辿り着くことが現実的でないことも考えられます。地方都市に暮らすLGBTの10代への支援を考えるにあたっては「一つの場所に集まってもらう」以外のアプローチが、都市部以上に重要であり、大人のアクティブなアライをどう増やせるかが大きな意味を持ちえます。
地域に一人でも理解者がいること、だれか一人でも信頼して話せる大人が存在することは、小さい街であるほど大きなインパクトを生みます。さらに、これまでのように居場所を開催していく上でも、地域に入って大人とつながっていくことが、地方都市であればあるほど信頼を得るためには重要だということも活動の中でわかってきました。顔が見える団体で、どんな人がやっているかわかるからこそ紹介してくれるし、「LGBTユースをひとりぼっちにさせない」というミッションにも共感してくれるのです。これは、どう人間関係を構築するかという話です。
地方のユースへのリーチアウトとして、メタバースでの居場所である「バーチャルにじーず」にも私たちは取り組んでいますが、これと対になる取り組みが、地道な対面でのネットワーキングだと考えています。バーチャルと対面の両輪が、地方でのユース支援において欠かせません。
公開イベントを開催して
2025年6月にクラウドファンディングにて183名の方よりご支援をいただき、これを原資として、これまで全国5箇所で「「安心・安全な場をつくるために周りのおとなができること 多様な性/LGBTQを学ぼう」というテーマで公開イベントを実施しました。
いずれも、関心のある方はどなたでもこられる企画で、教職員や地域で子ども若者支援に関わる個人、子育て支援をしている方など広くご参加いただきました。
全て紹介すると盛りだくさんなので、日時や概要などは記事の最後にまとめるとして、ここでは主な成果をピックアップして紹介する形にします。
地元の人にミッションに協力してもらう
盛岡と福山では、公開イベントの開催だけでなく、翌日にそのエリアでは初めてとなるユースの居場所(にじーず盛岡、にじーず福山)の開催を行いました。新しく居場所の拠点を立ち上げるタイミングに合わせて、誰でもこられるイベントを組み合わせたことで、地域の方たちに「LGBTの子ども若者を孤立させない」というミッションをより強く理解・共感いただける機会となりました。
特に、盛岡では、岩手町にて10代の支援に取り組んでいる「ユースセンター・ミライト」を運営しているNPO法人miraitoさんが強い活動のパートナーとなり、岩手県内で活動する子ども若者支援団体にも広く公開イベントへの参加を呼びかけてくれました。当日の様子はmiraitoさんの記事でもみられます。
この勉強会は新聞でも大きく取り上げられた他、岩手県職員にも共感をしてくださる方があらわれ、2026年度の県の事業に取り入れられました。具体的には、民間で私たちが行った発信を、今度は自治体が主催の形で「いわて男女共同参画サポーター養成講座」の中に1コマ組み入れてくれたのです。民間で発信していることを、行政がキャッチしてくれて、より強い広報力でメッセージを伝える機会をいただけたことはとても大きな成果でした。
また福山でも、地元の若者支援団体に助言を仰ぎ、県内でトランスジェンダーの子どもが学校に通いやすいよう活動している中学校教員の鬼頭暁史さんをゲストに招くことで、より地域に密着したイベントを作ることができました。こちらにレポートがあります。
参加者からの感想
参加した皆さんからは次のような感想をいただきました。
「まずは自分自身が安心できる人になり、生活に活かしたい」
「基礎的な知識、現場で実際にあった事例、そしてそれに対する対応⽅法、全て教えていただけてとても勉強になりました。」
「職場にずっといたら知らなかった、学ばなかったことだらけ。職場を出て、いろんな人に会って、自分も学び続けたい」
「あなたはあなたで素敵なんだというまなざしを大切に、子どもたちと周りの人と生活していこうと改めて思いました」
「アライだからこそできることがあると気づいた」
「今日の学びを周囲に共有していきたい」
にじーずでは、今後も公開イベントを各地で開催していく予定です。LGBTの子ども若者が、自分を隠すことなく安心して話せる人が地域に増えるよう、今後もみなさんのお力添えをいただけたら幸いです。
にじーず全国出張ツアー2025 実施結果概要
2025年度は、5つの地域で出前講座を開催しました。
①西宮(兵庫県)
開催日:2025年7月27日(日)
タイトル:性の多様性を包括したこどもの居場所をつくる人の勉強会
会場: 西宮市大学交流センター
主催: LGBTQユースサポート・プライドプロジェクト
協力:一般社団法人にじーず
参加者: 20名(地域の支援者、学校関係者、一般市民等)
②仙台
開催日:2025年8月7日(木)
タイトル:安心・安全な場をつくるために周りのおとなができること 多様な性/LGBTQを学ぼう
会場: 仙台市子育てふれあいプラザ泉中央
共催: 一般社団法人マザー・ウイング、一般社団法人にじーず
協力: にじいろCanvas
対象: 子どもと関わる大人・保護者・教員など
参加者:20名
③盛岡
開催日:2025年9月14日(日)
タイトル:安心 ・安全な場を作るために周りのおとなができること 多様な性/LGBTQを学ぼう
会場: アイーナ・いわて県民情報交流センター 5階501号室
主催: 一般社団法人にじーず
協力:NPO法人miraito
参加者:70名
④福山(広島県)
開催日:2025年12月13日(土)
タイトル:安心・安全な場を作るために周りのおとなができること 多様な性/LGBTQを学ぼう
会場: まなびの館ローズコム(福山市)
主催:一般社団法人にじーず 後援:福山市
参加者: 23名(地域の支援者、学校関係者、一般市民等)
⑤大阪
開催日:2026年1月31日(土)
タイトル:LGBTQの子ども・若者の声から考える、安心できる人・居場所とは
会場: 大阪産業創造館
主催:セクシュアルマイノリティと医療・福祉・教育を考える全国大会2026
協力:一般社団法人にじーず
参加者: 27名(地域の支援者、学校関係者、NPO/NGO関係者、一般市民等)
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