誹謗中傷に対する裁判勝訴および法的措置のご報告
一般社団法人にじーずは、LGBTの子ども・若者の不安や孤立を防ぎ、安心して話せる繋がりができるよう全国各地で居場所の運営を行ってきました。しかし、近年SNSプラットフォーム「X」(旧Twitter)を中心に、 にじーずに関する事実に基づかない悪意のある誹謗中傷が多数投稿される事態が発生しました。
当団体が「子どもをグルーミングしている」「洗脳している」「搾取する気満々」などといったこれらの投稿は、にじーず及びLGBTコミュニティ全体に対して深刻なダメージを与えるものであることから、にじーずは支援者の皆様の支援を募った上で法的措置を講じる決定をしました。
これまでプロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求を行い、全件(現時点で41個の投稿)についての違法性が認定されています。また10月17日には、悪質な誹謗中傷を行った発信者に対し、 伊勢佐木警察署において名誉毀損罪での刑事告訴が受理されました。
さらに11月20日には、横浜地方裁判所において悪質な投稿を繰り返していた者に対する損害賠償請求訴訟(事件番号:令和6年(ワ)第2070号)の判決が言い渡され、33万円の賠償命令が下されました。
この事案は、インターネット上でのLGBTコミュニティに対する誹謗中傷やヘイトスピーチがどのように法的に対処されるべきかを問う極めて重要な事例です。特に、このような大規模な開示請求が認められたのは、日本国内のLGBT団体としては初めてのケースであると思われますので、他のLGBT団体や個人にとっても法的救済の道を切り開くものとして、大きな社会的意義を持つと考えられます。
LGBTの子ども・若者を取り巻く環境はいまだ課題が山積みであり、誰にも相談できずに孤立を深める若年層も多い中で、実在の支援団体を名指しして事実に基づかない内容を書き込む行為は、弊団体だけではなく支援を必要としている人たちにとっても深刻な影響を与えかねません。
活動に対する叱咤激励等の正当な論評に対しては貴重なご意見として賜りますが、弊団体だけでなくお取引様等の多くの関係者のみなさまを巻き込む悪質な誹謗中傷に対しては、今後もしかるべき法的措置を厳正に行っていく所存です。
お心当たりがある方は、速やかに、投稿を止めていただき、書き込み等の削除のご対応をいただきますようお願いします。
「活動へのご理解のお願い」のページにも、当団体の活動についてご説明をしております。
最後に、この間、裁判費用のご寄付を含め、にじーずを支えてくださった皆様に、改めて深くお礼を申し上げます。SNS上での発信が制限されるなど不自由な中でも、若年当事者の置かれた環境を少しでも安心できるものにできればと全国で活動を続けてきました。誹謗中傷が苛烈になった中でも、活動の拠点は14都市およびメタバース空間に広がり、研修を受けたスタッフが全国で変わらず活動をしています。今後も子ども・若者が安心できる居場所づくりのために取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
2024年11月20日
一般社団法人にじーず代表 遠藤まめた
*2024年6月21日以前のステイトメントはこちらをご覧ください。
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